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4、カルチャーショック

 

 一人前になって飛び始めた最初の頃のお話しをしましょう。1970年の太平洋線です。
 今でこそ日本とアメリカ西海岸8000キロをノンストップが当たり前ですが、当時の飛行機は給油せずに飛べる距離が今の飛行機ほど長くなかったため、必ず往復ホノルルに立ち寄りました。更に冬場の向かい風が非常に強い時には、ホノルル・東京の6200キロさえも、途中アメリカ軍の施設のあった太平洋上の小さな島・ウエーク島で給油しなければならないことがありました。

 ある日のフライトで、出発時にお客様にはウエーク島に寄ることをご案内してはあったのですが、いざ着陸すると一人のお客様が給油のためだと言うことを信じて下さいません。絶対に機体に何か不都合があって不時着陸したのだと言い張ります。説明すればするほど、事実を隠していると思うもので、安心していただくのに大変でした。

 70年代初めと言えば、関東の私の周辺にはスーパーマーケットはありましたが、普通はカートではなくバスケットでの買い物です。そして古くからの商店街が、肉屋さん、魚屋さん、八百屋さんなどで、まだまだにぎわっていた頃です。
 しかし、初めて行ったホノルルやサンフランシスコには巨大なスーパーがあり、人々が車でやって来ては今の日本のスーパーのカートよりはるかに大きなものに山盛りの生活物資を買って行くのにびっくりました。

     その頃日本では     アメリカでは
 牛乳  180ccのビン     クオート(1リット弱)単位の巨大パック
アイスクリーム一人用カップ       〃 
 卵   1個単位        1ダース入りの箱  
 肉   100gとか50gとか    ポンド(lb≒450g)単位
                 大きな塊や鶏一羽当たり前

 グレープフルーツは都心の高級果物店に麗々しく並んでいる以外見たことありませんでした。アボカド無し、ズッキーニ無し、ハーブ無し、マッシュルームは缶詰、ワインと言えば一般には甘い赤玉ポートワインの時代です。

 1ドル=360円ですから、円に換算してしまうとハンバーガー一つ買うにも勇気の要る私なのに、アメリカ人て皆大金持ちなんだ!と思いました。

 私が初めてのフライトで買ったものは、日本ではまだ憧れだったテフロンのフライパンです。
 先輩に「若いうちにこう言うもの買うといつまでもお嫁に行けないのよ」と言われました。多くの女性には寿退社があこがれの時代だったんですね。
 でもその故か、実際私は40少し前まで独身でしたわ。 


 2018年の今の追記:
 若き日に
私を驚かせたアメリカのショッピング事情ですが、今こうして見るとアメリカの単位に驚くより、昔の日本のささやかさに驚きますね。
 若い方には、卵を一個単位で売っていた時代があったなんて、考えられないでしょう?

 

 

 

 


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めぎ

1ドルが360円だったことって、今はもう考えられませんよね。
でも、今でも、売られている肉や野菜の単位って、日本はこぢんまりしてますよね。
でもそれが、こちらの大きいパックより高かったりして、いつのまにかささやかさが消えてしまいましたね。
by めぎ (2018-09-24 05:36) 

もとこさん。

めぎ様、
そうなんですよ、360円、考えられませんね。(その時代ご存じなんですね^^)
私には「カレー用」「焼肉用」なんて分かれてきれいに並んでいるお肉より、塊で買って好きに切れるお肉の方が魅力的です。めぎさんのブログのマーケットが憧れです!
by もとこさん。 (2018-09-25 14:22) 

もとこさん。

xml_xsl様、nice!を有り難うございます。
by もとこさん。 (2018-09-25 14:24) 

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