13 ホテルについて
どの航空会社であっても国際線の乗務員をしていますと、およそ毎月の三分の二前後は外食・外泊と言うことになるるでしょう。
滞在ホテルはもちろん各航空会社の契約した所ですので、自分で好きに選ぶ事は出来ませんが、ホテルの安全性と快適性が生活に大きく影響しますし、時には飛行機の運航の定時制や安全性にまで関わる事があります。
観光旅行でも、ホテルの選定一つで旅の楽しさが違ってくる事も多いですね。
今までプライベートな旅を含めて随分沢山の宿泊施設を利用しましたが、今回はそれらについて書いて見たいと思います。
幾つものレストランや宴会場、会議場のある大規模のホテルは、世界中のどこからでも簡単に予約でき大変便利ですが、私は小規模な個人経営のホテルやB&Bが好きです。
先ず大きなホテル、殊に近代的なのもには、いくつもある出入り口からレストラン、お店、会議場などの客や業者など、宿泊客以外に不特定の人が常に大勢出入りします。ホテル側がこれら全てを把握するのは無理ですし、死角もいくらでもありますから、公道と同じで落ち着きませんし、危険な事も多いのです。それに対して、客室数1から20とか30室の小さなホテルやB&B(Bed and Breakfast 一宿一飯!)は、入り口が一つで、常に鍵がかかっていて、個人の家のようにベルを鳴らして入るところが多いのです。ホテルの従業員数も少ないですが、お客を把握しているので、不審な人の入り込む余地がありません。
そしてこれらの小規模なものの中にこそ、ヨーロッパなら昔はお城や貴族の館、修道院だった所などの豪華なアンティックホテルがあり、アメリカなら大きな個人住宅やログキャビンなど個性的なものがあるのです。 2~3泊でも家一軒借りる事の出来るところもあります。
それらの多くでは本当に温かく質のよいサービスが受けられ、お値段は国際的な大ホテルより遥かに安いのです。
これらの情報を集めた本、例えば
☆Best Loved Hotels http://www.charmingsmallhotels.co.uk/
☆The Best Bed & breakfast amazon.com/Breakfast-England-Scotland-Wales-2006-2007/dp/0762739827
☆Charming small hotel guides http://www.charmingsmallhotels.co.uk/cgi-bin/articles.pl?id=551§ion=39&action=display
等が書店の旅行のコーナーで売られていますので、また来たいと思う国のものを次回の為に買って置くのも手です。また、各都市の観光局でも、これらの宿を紹介する有料、無料の小冊子が手に入ります。
と言っても現実には中心地の大ホテルに泊まらざるを得ない事も多いでしょう。その時の注意を、ご存知かも知れませんが二つだけ書かせて下さい。
*部屋に入ったら必ず備え付けの災害時のマニュアルに目を通すこと。そして非常口と消
火栓の位置を実際に確かめる事。私自身、二回夜中に火事騒ぎを経験しています。
*ホテル全体の公共のトイレには、女性は昼間でもなるべく一人では行かないこと。日本
の様に結婚披露宴がしょっちゅうあって、女子トイレがいつも女子で混んでいるのなら
安心ですが、海外ではあまりそう言う事はありません。しかもロビーやフロントなどか
らかなり離れた陰の方にあるのが普通ですから、危険な死角になります。
どうか皆様、安全で快適な旅をなさって下さい。
以下に、私が泊まった小さなお宿の内の幾つかをご紹介します。
イタリー トスカーナ、 15世紀頃の豪農の館
5部屋くらいだと思いますが、この時は私達以外にアメリカ人のカップル一組だけでした。道を挟んで向かい側に管理人の家がありますが、お客の到着と朝食の時以外来ないので、自分の家の様に気ままにのんびりしました。
イタリー ポジターノ (パンフレットの写真ですが、この通りでした)
15室。 断崖絶壁にへばりつく様に建てられ、各部屋からアマルフィの海岸を見下ろせる、元漁師の館
アメリカのB&B
3室 森の中の一軒家。これは家族のリビングルームですが、私達も自由に使わせていただきました。馬2頭とうさぎ、アヒル、犬などいましたが、農家ではありません。
アメリカのB&B
多分6室。個人の大邸宅。遥かに雪を頂いた山々を眺める位置に、露天のジャグジーがあります。
上のお宿のダイニングルーム
ここでホームメイドのマフィンやシナモンロールと玉子、ハム、果物、ヨーグルトなどのリッチな朝食。華やかでサービス精神旺盛なマダムと、物静かで優しいご主人の家です。
イギリス コッツウォルズ゛ (パンフレットの写真)
5室。15世紀には修道院だった建物で今は個人所有。マダムは、お子さん達が大きくなって独立したので、部屋が空いたから宿泊客を受け入れているとおっしゃってました。
上の宿のダイニングルーム
イギリス人の中年カップル2組と同宿。夕食はまず暖炉のある談話室で食前酒、その後準備の整ったテーブルに案内され、皆で一緒に大きな食卓を囲みます。宿のマダムも台所との間を行き来しながら共にテーブルに着き、まさに個人の家に遊びに行った様でした。
左の紳士が、気軽く皆にお代わりのワインやオードブルを配ってくれました。そして食後は三階の広々としたリビングルームで暫くおしゃべり。お子さん方の結婚式の写真など見せて下さいました。
2018年11月追記 この時に出されたオードブル・鱒の燻製とクリームで作ったものは、多少アレンジして、私の料理教室と家の定番中の定番となり、今に至るまで作り続けています。
素敵なお宿ばかりで、旅情を誘いますね。
コッツウォルズって、いつか行ってみたいなあってもう何十年も思ったまま実現していないところです。
イギリスって、やっぱり海を隔てているので行きにくいんですよねえ。
EUから離脱すると、更に遠くなるかもしれません・・・
by めぎ (2018-11-21 06:05)
めぎさんも実に様々なお宿を利用なさったでしょうね。
コッツウォルズは素晴らしかったですよ。
「海を隔ている」という条件で、日本からもドイツからも同じですね(笑) いつか是非いらしてください。
by もとこさん。 (2018-11-21 22:25)