24 オランダの年越しりんご
交通機関は暮れもお正月も稼動していますから、私達乗員もいつも年越しは何処かの空です。
ある年、オランダのアムステルダム滞在中に新年を迎えました。
大晦日は昼間からあちこちで爆竹の音が聞こえていましたが、夕方になるにしたがって激しくなります。そして真っ暗になると花火が上がり始めました。
真夜中に近づくに連れてその数が増えて行きます。
12時直前には花火の数がピークに達し、あちこちから一斉に上がる花火で、遂に空じゅうが一杯になりました。
私は街の中心部から少し離れて、回りに高い建物のないところにあるホテルの、見晴らしの良い階に泊まっていました。
窓からの光景はプラネタリウムの様です。
家々の屋根や教会の尖塔がシルエットになって浮かび上がり、どの方向からも一斉に花火が上がるのです。
日本では、花火は、同じ方角から順番に上がるでしょう。ですから空じゅうに一度に上がる花火は初めてでした。
その晩の夕食は、ホテルの近くの小さなレストランで済ませました。
ウエートレスが申し訳なさそうに、「今日は8時で閉店なんです。いつもなら遅くまでやってるのに、ゆっくりしていただけなくてごめんなさい。」と言いながら、「家族で食べるために作ったんですが、いかが?」と、ナプキンに包んだりんごのお菓子を差し出します。
もちろん大喜びでいただき、部屋まで持って帰りました。
オランダの習慣では、年越しに、輪切りにしててんぷらの様に衣を付けて揚げたりんごを食べるのだそうです。
厳冬の空に上がる満天の花火。 ホテルの部屋から、一人見つめる女…
口には、輪切りのりんごのてんぷらを、しっかりとくわえて…
5~6年後にも同じところで年越ししましたが、もはや花火はちょろちょろしか上がらず、りんごのてんぷらも出ては来ませんでした。
家に帰ってから、まねして作ったものがこちらです。
これも若き日の思い出の味です。
作り方 りんごを輪切りにして軽く小麦粉をはたく。
卵で溶き、シナモンとナツメッグを入れた小麦粉の衣を付け、
多目のバターで焼く。
出来上がりに粉砂糖を振る。
眺めの良いところから大晦日の花火を見るのは格別でしょうね!
リンゴのお料理?お菓子?が美味しそうです。
年末年始もお仕事してくださる方々がいるから、我々が遊びに行けるんですよね。ありがたいことです。
by めぎ (2018-12-14 01:54)
めぎ様、りんごのお菓子、どうってことないんですが、今でもほとんど毎年作ってます。初めて見た満天の花火を思い出しながら・・・
by もとこさん。 (2018-12-18 23:07)