18 ペルシャ湾の藻屑と 前編
今日はアラブ首長国連邦に滞在した時の私的な経験をお聞き下さい。
1980年頃の南回りヨーロッパ線の中継地の一つ、アラブ首長国連邦の首都・アブダビ。就航便数が少ないため、必ず3~4日の滞在となります。比較的治安の良い街でしたが、それでも女性が一人で気軽に観光に出かけることの出来る場所ではありませんので、皆、毎日ホテルにたむろしている事になります。
宿は海岸に建つゴージャスなリゾートホテルです。ペルシャ湾に面してプライベートビーチがあり、ペルシャ湾を出ればアラビア海です。
食事は、毎日三食ホテル内の洋食のビュッフェのみ。
私はひがな一日水着のまま、プールサイドの芝生でごろごろして過ごしています。
太陽が大好き、食べ物は何でもOKの私には、夢のような4日間です。
けれど、日焼けがだめ、和食が恋しい仲間にとっては、耐えがたき時間なのです。
プライベートビーチにはお遊び道具が色々用意されていますが、観光地ではないので面倒を見てくれるインストラクターが居るわけではありません。
私は到着の翌日、同乗の操縦士に教わりながら、生まれて初めてウインドサーフィンをしました。そしてその翌日、教えてくれた彼は日本に戻る便に乗務して行ってしまいました。
ローマ行きの乗務まであと3日滞在する私はこの期間にマスターしてしまおうと、無謀にもひとりでウインドサーフィンの練習に出かけて行ったのです。
最初の5分はうまく行きました。
ところが少し強い風が吹き、すぐに帆が倒れてしまったのです。それからは、帆を立ててやっと立ち上がると再び風を受けて倒れ、また立ち上がるとまた倒れ……
帆の根元を受けるボード側の穴が壊れていて、しっかりと立てることが出来ない、要修理のボードだったのです。
それでも何とか岸まで帰ろうと、立てては倒れを繰り返している内に潮に流され、ふと見ると海岸は遥かかなたに遠ざかっていました。
漸く事態が自分の手に負えない状態になろうとしている事に気付いた私は、浜辺に向かって一生懸命手を振りました。
命がけで手を振っているつもりの私に、遠くの浜辺で誰かが親切にものんびりと手を振り返してくれました。
そうじゃないの~ 助けて~
足元の水を見ると歩いて帰れそうなくらい遠浅です。しかしだまされてはいけません。ここの海底は粘土質の土壌ですから、立とうとすればずぶずぶと引きずり込まれて行き、自力で再び浮き上がる事は出来ないのです。
さてさて、もとこさんの運命や如何に 後編に続く
このお話、覚えているんですけど、この先が思い出せない…ドキドキ♪
アブダビは数年前トランジットで降りました。豪華な空港でした。いつか外も見てみたいです。
by めぎ (2018-12-07 03:26)
めぎ様、今のアブダビは、かつての私の知っているのとは全然違っていることでしょう。当時は観光客の行くところではなく、各国の駐在員か出稼ぎ労働者はかりで、空港も質素な物だった様に思います。今の豪華なアブダビ空港も見てみたい♪
by もとこさん。 (2018-12-10 17:15)