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12 失敗のお話し その1

今日はアホなお話しを。


先ず、東京ーモスクワでの大失敗。


私は初めてのファーストクラスの厨房担当です。
当時はモスクワーパリ間で使う食事も東京で搭載していました。使うのは10時間以上先ですから、悪くならない様にしっかりとドライアイスを効かせなければなりません。
ファーストクラスの分厚いステーキは、東京でガチガチに凍結した状態で搭載されます。
モスクワーヨーロッパ間のCAの為に適当な時期にドライアイスを取り除いて解凍しておくのが、東京ーモスクワの厨房担当の重要な仕事です。


さて、飛行機はモスクワに到着。厨房を綺麗に片付け、必要書類を作り、引継ぎのメモも書き、全てを上司に報告して、後は出発の乗務員と会って引継ぎをするだけです。


先輩のお兄様: 「ステーキのドライアイス抜いといてくれた?」
私:        「はいっ!」


実は新米の私は、この質問の意味が分かっていなかったのです。それなのに無責任にも「はいっ!」 と答えてしまったのです。


空港からホテルまでのバスの中で、謎の質問がずっと気になっていました。ステーキは東京からの夕食に出してしまったのに…
そう言えば >_<!  以前に別の先輩がモスクワーパリのステーキの事を注意していたのをようやく思い出しました。


しかしその頃、ガチガチのステーキを発見してギンギンに怒っているであろう先輩のお兄様を乗せた飛行機では、離陸後ベルトのサインも消え、皆慌しく食事の準備に取り掛かっていたことでしょう。


今のように「解凍」キー付きの電子レンジなどない時代ですから、モスクワーパリ、3時間のフライト中にあのお肉は、絶対にお客様に出せる様に溶けはしません。メインディッシュはステーキご希望の方が多いのに…
お気の毒なお客様。 お気の毒な先輩様。 ごめんなさい! 


 


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めぎ

このお話は覚えてます!とっても印象深かったのです。
あとで怒られたりしたのかしら。あとでその先輩と一緒の乗務のときに気まずかったりしたのかしら。
by めぎ (2018-11-11 04:46) 

もとこさん。

めぎ様、いいえ、幸か不幸か、その先輩とはずっと会わないままでした。会って平にお詫びしなければと何度も思ったものですが、デスクを並べて仕事をする訳ではないので、同時期に在籍していても会った事ない乗務員の方が多いのです。会う人とは何度も一緒に飛ぶのに。ステーキが使えない分、悪くすればメインディッシュが人数分無かったということもあり得ます。今思い出しても申し訳ない><
by もとこさん。 (2018-11-11 15:24) 

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