6、CAの仕事とは?
そもそもスチュワーデスってどんな仕事をしてるのでしょうか。
実は私自身、入社するまで飛行機に乗ったことがありませんでした。今の様にテレビドラマの題材になることも無かったので、彼らが具体的にどんな仕事をしているのか考えたこともありませんでした。(それで試験を受けるなんて、あまりに無責任な!)
今回は、スチュワーデスの仕事の流れをざっと追ってみます。あくまでも「私がいた頃の、私がいた航空会社の」ですから、時代により、会社により違いがあることをお含み下さい。
一月単位で発表される自分のスケジュールに従って、フライトの出発時間の1時間45分前までにオフィスに行きます。しかし実際はその更に40~60分前ぐらいには着いていて、制服に着替えたり、業務指示文書をチェックしたり、つまりフライトにまつわる自分の用事を済ませます。客室の責任者は、この時間に広い飛行機の中で、誰がどこを担当するかなど決めてチャートを作ります。
1時間45分前に全員揃って打ち合わせを行います。お客さまに関する情報、例えば、人数はもちろん、小児、車椅子や特別食※をご希望の方、VIP、特別のケアーを必要とする方などが知らされます。そして路線の特性や注意事項、今日のサービス内容とサービス方針、到着地の免税基準などの確認、保安に関する知識や動作の確認などを行って、これらを全乗務員が共有します。
それが済むとキャプテンたちと合流して、飛行情報や万一の時の対応などを確認します。
その後出国審査を経て、1時間ほど前には飛行機に乗ります。乗り込んでからは各自の持ち場の保安機材チェック、食事と飲み物の数と内容のチェック、様々な備品と道具類、例えば厨房用品、トイレの備品、救急箱、新聞、雑誌、おもちゃ、機内誌などの搭載と、正常に機能するかの確認をし、使いやすいように可能な限り準備する、etc.etc.
自分の守備範囲を確実にこなす事と、したことを報告する事が求められます。なぜなら、何人もで同じ所をチェックすると言う時間のロスを省き、尚且つ絶対に漏れがあってはならないからです。一旦離陸してしまえば、そこにある物資と人と知恵で着陸まで全てをまかなわなければならないのが飛行機です。もし満席12時間のフライトなかばでトイレットペーパーの予備が無くなったら?これは大変なことです。
※特別食:療養食や宗教上の理由によるもの。例えば糖尿病や高血圧の方の食事、イスラム教徒の豚肉を使わない食事など、色々あります。
そして最後に不審物がないことを確認し、各自のビューティーチェックもして、30分前にはお客様を迎えます。
離陸後は飲み物や食事サービス。今は私も乗客の立場で乗りますから、客席から見ていると皆にこやかにゆったりとサービスしているように見えるのですが、カーテンの陰、調理室では彼女たち髪振り乱して働いていことでしょう。
そして二回目の食事までの間、機内販売、映画の上映、トイレの清掃、次の食事が傷まないようにドライアイスのチェック、入国用の旅客と乗員の書類、機体と貨物及び機内の搭載物品に関する書類の準備、乗客の病気やトラブルへの対応、稀に出産や機内で亡くなるケースもあり、これら全てに対処することがCAの仕事なのです。
機内は老若男女、様々な人種、様々な背景や事情・目的を持った人々の共同の生活の場であり、社会です。大地から1万メートルも離れた大空にぽっかりと浮かぶ、小さな運命共同体です。CAの仕事は、この運命共同体の中にいる全員の生活を安全に、快適に完結させることなのです。
次回は、ある日のフライトをシュミレーション致しましょう。
イタリア ナポリの空
日本の空
アラスカの空
日本の空
CAの方の印象でずいぶん旅の印象も航空会社の印象も変わってきますから、ものすごく気を遣うお仕事ですよね。
by めぎ (2018-10-10 05:17)
xml_xsl様、nice!を有り難うございます。
by もとこさん。 (2018-10-10 21:15)
めぎ様、何もかも機械にとって代わられる時代ですが、この世界はいつまでも人間の手が必要ですね。
by もとこさん。 (2018-10-10 21:28)